父性と母性
子供の頃から水が好きで、毎年必ず海に行った。
スキューバダイビングに出会って、益々海が好きになった。
海に潜っていると、包まれたような感覚になり、現実社会の騒音が全て海の中に溶けていくのを感じた。
それに比べて、山には、あまり興味が湧かなかった。
昨年末、初めて間近で富士山を観た。
あまりの神々しさに、私の心は一挙に持っていかれた。
何と気高く、凛として、不動なのか。
母なる海のように、広く深い母性を持ちたいと、ずっと思ってきた。
あの気高い富士山を観て、父なる山のように、勇壮な父性を持ちたいという気持ちが、自分の中に急激に膨らんできた。
子供を育てるとき、母性と父性のどちらも大切だと思う。
それは、男女の役割分担ではなく、子供に関わる全ての人が、その時その時必要なものを出すことができるように自分の中にいろんな面を培っていくことが大切なんだ、と朝日に輝く富士山に魅せられながら思った。