聴くという難しさ
コミュニケーション
相手の話を聴いているのに、相手が少しも元気にならず、やる気にもならずに
死にたくなったりする。えーと思われる方、村上春樹の「ノルウエーの森」はそれをよく物語っています。わたなべ(ぼく)は主人公です。関わった友達の話を、それはうまく、わたなべは聴いています。 こんなに自分の話を聴いてもらったのは始めてと友達が言う場面もあります。だが、わたなべがうまく聴いているのに、自死をする友達が何人も出ます。なぜなのか、わたなべ自身が自分を生きていないからなのです。私たち親が自分の人生を生きていないで、子どもの話を聴いているつもりでもそれほど効果はないといえます。わたなべは若者です。わたなべ自身の生活は(霧の中)迷って生きています。
迷っている人がいくらうまく聴いてもよくないことに気が付きます。
死と生は反対でなく、生の中に死があると村上春樹は書いています。