真剣に聞くこと
昨日、母親ノート法の研修会に参加しました。
母親ノート法研修会は、各講師が関わった事例を検討したり、小野澤先生から、自分の勉強や仕事の中での疑問にアドバイスを受けたり、「〇〇の場合、どうするか、どう考えるか?」といった課題をいただいたりする場です。
昨日の研修会では、小野澤先生から「障がいのある子、介護の必要のある家族」を持つお母さんの話を聞く時は、どう聞いてあげるのがいいか?という課題を与えられました。
世話や介護の大変さを訴えてくる、そんなお母さんの苦労や愚痴をじっくり聞いてあげるのが、最良の聞き方だというのがその答えでした。
「自分の子なんだから、あなたはお母さんだから、世話をして当然だ」
「そんなことばかり言ってないで」
と言いがちですが、話し手の気持ちを受け止めるように、真剣に聞くことに徹することが大切だと強調されました。
相手が友人や知人、クライアントでさえ、聞き手である自分が「何かしてあげられるかもしれない」「目の前の悩んでいる話し手を救ってあげられるかもしれない」という錯覚に陥るけれど、絶対にそう思ってはいけないのです。
救うことなど出来るわけがないのですから…。
かつて息子から「お母さんは何も聞いてくれない」と言われたことがある私は、そのたびに「私はちゃんと聞いてるのに…」と不満に思っていました。
でも、実は、子どもの話に耳を傾けているようで、真剣に向き合ってなかったり、子どもの気持ちを無視したり、自分の気持ちを押し付けていたりする時も多い、と気づいたのは、「真剣に聞く」ということを「真剣に」実践してからでした。
真剣に向き合って、気持ちを受け止めながら聞くことこそが、人間関係の基本なのです。
松本 克代