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日本心理福祉教育研究所から、「不登校」に関連するブログをお届けします。
今日はその第2回目です。
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不登校の理由なんてわかりづらいですね。
本人ですらわからないこと、よくあります。
だから、ましてや周囲の人間、親でさえわからなくて当然なのかもしれません。
大学生になり、ほどなく休みがちになり、不登校になった男性。
ご両親は突然のことに驚き、悩み、なんとか大学に戻ってほしくて、カウンセリングの門を叩きました。そこで、初めて親子のコミュニケーションを学び、それを実践したのです。
大学に行けず悩む息子に寄り添い、不登校の状況を受け入れて接するうちに、その男性は心の落ち着きを取り戻し、通っていた大学は辞めたものの、自分の未来を描くようになっていきました。
その頃、男性が両親に語った言葉がありました。それは、
「僕は幼稚園に行きたくなかったのに、お母さんたちが無理矢理行かせた‼️僕はずっと家に居たかったのに‼️」と。大学生になり、不登校になった時に、幼い頃、幼稚園に行きたくなかったんだ‼️と両親に訴えたのです。
ご両親は当時、一人っ子だった男性のために良かれと思って幼稚園に入れたのです。確かに、当時、毎朝幼稚園に行きたがらず泣いて困っていたと思い出しました。でも、当時のご両親はそんな我が子の気持ちを受け止めることはできませんでした。幼い子供の言い分を聞いて、せっかくの幼稚園に行かないことを考えるなどという選択肢はなかったと言われていました。
「だって、そのほうが子供の為だと信じていましたから❗️」
幼なかった男性は、家で、お母さんとゆっくり過ごしていたかったのかもしれません。少なくとも、そんな気持ちをお母さんにわかって欲しかったのかもしれません。でも、そんな気持ちを伝えることも、聞いてもらえることもなかったのです。
親は子供の為を思い、子供はそんな親の気持ちを感じるからこそ、男性は小さな頃からたくさんの我慢をして頑張ってきたのでしょう。そして、心のエネルギーがなくなってしまったのかもしれません。
男性が何故、不登校になってしまったのか、理由は今でもわかりません。
しかし、ご両親が、そんな息子の状況をあるがままに受け入れ、気持ちを受け止めることを実践したことで、男性は心の安定を得たのだと思います。幼稚園の頃に叶えてやれなかった「家でゆっくりと心のままに過ごすこと!」を、大人になった息子にゆるしたのです。たっぷりと、ゆっくりと不登校を味わった男性はその後、別の大学に入り、卒業したとのことです。
幼稚園の頃や、子供がまだ幼い時期なら、もっとずっと楽な気持ちで不登校につきあえたかもしれません。子供が大きくなってからの不登校に対応するのは、親、子供、共に壮絶な苦しみを伴います。
でも、根っこはかわりません。
幼い子供も、大人になった子供も、その行きづらい気持ちを、お母さんにわかって受け止めて欲しかったのかもしれません。不登校の理由はわかりづらいし、一つでもないし、無理にわかることもできません。でも、こんな視点から見つめてみるのも、大切なのではと思うのです。